2003/12/22 1st issue
2004/01/27 update
| ・表皮効果
「高周波」という言葉が人、企業によって、てんでバラバラなのが問題かもしれません・・
1.電気抵抗の小さい金属ほど渦電流も良く流れるので表皮効果は大きくなります。例えば銅と銀ですと、銀の方が導体抵効率は約6%低いのですが銀の方が銅よりも表皮効果は約2%大きいので、同じ線径の導線であれば銀線は銅線より高周波電流の導体抵抗はほぼ4%低い ということになります。
・近接効果 上述の表皮効果対策のために導線は撚り線にして表面積を稼ぐわけですが、撚り線にすると今度は「隣り合う線同士の距離が近い部分ほど表層の電子の流れを阻害し合う」ようになります。これを近接効果と言いますが、これは即ち中学校理科で習う(※現在は文部科学省が「教えなくても良い」としていますが)フレミングの「左手の法則」が発現している状態そのものです。 左手の法則は「電流の向き」と「磁界の向き」とこれによって発生する「力の向き」それぞれの頭文字をとって左手中指から順に「電・磁・力」と覚えるのですが、複数素線ですとこの親指方向に発生する「力」がぶつかり合って、磁石の同極同士が反発するのと同じように反発力が発生、その反発力によって「各導線を流れる電子」も互いに近距離であるほど強く弾かれあうのが近接効果です。 渦電流は周波数の2乗に比例して増えます。これはつまり近接効果の斥力も周波数の2乗に比例して強くなるという事で、私の予備知識とIQでは計算がかなり面倒(^^;; で、とりあえずTDKの資料から、論より証拠の実験データ参考図を抜粋しておきます。 可聴周波数帯を通す目的の導線(例えばオーディオケーブル)なら近接効果は却ってアリガタイです。単線でなく撚り線にすることでオーバーサンプリング192KHzなどというデジタルオーディオ機器のノイズ電流を通しにくくできるからです。 「配線を撚れ撚れ」と言われるのはこのためです。
左図で示されている複素線はPQ型フェライトコアの26/25サイズにφ0.3mm線を30ターンですから、巻き線は上下に重なってはいないsingle
layer(平巻き状態)と考えられます。それでも400KHzではせいぜい2本撚り(バイファイラ)までしか効果がなく、3本撚り(トリファイラ)以上に複素線化すると単素線よりも抵抗値が増加してしまうことが見て取れます。 この0.3mm銅線の例で言えば20KHzまでの可聴周波数帯信号は良く通し192KHzのデジタルノイズを通し難くするには7本以上10本以内で撚ってあれば効果的だ という事です。 これが近接効果による高周波電流の減少(=抵抗値の増大)で、周波数が上がっていくほど近接効果は顕著に表れるのがよく解ります。 つまり400KHz程度を超える速度でスイッチしている昇圧/降圧回路でのインダクタは単素線で表面積を稼ぎ、なおかつ疎巻きにすべきだ という事が判ります。 |