2001/03/26 original issue
2005/05/29 update
入手した370DE6はデザインUSA、製造台湾のものです。
さて、まずHE-SLというチップセットとは何者でしょう?
Serverworks(現Broadcom)のProductsページには
詳細がまったく載っていないのですが、
同社のプレスリリース等を調べて
いくうちにアウトラインは掴めました。
Serverworks調にまとめるとこんな感じになります。
ところで
上記リンクのプレスリリースでは
South Bridge (Part # SB7440), and a PCI bus bridge (Part # NB6555)
と書かれているのが
気になります。
というのも、私の370DE6は下図リンクの拡大画像の通り、SB7440やNB6555などという型番は
使われていないからです。
しかしとりあえず、Serverorksの発表を見る限りThunder2500のServerSet III WSからメモリ周りは
はっきりと進化を遂げているようです。
まず、ノースブリッジは新チップ(NB6576)となりスペックアップしました。
サポートDRAMは512Mbitsチップまで。そして単体容量2GBytesのregDIMMモジュールが
使用でき、DIMM bankは12bankまでサポート(つまりDIMMスロット6本まで対応)しています。
よってアドレシング可能領域(最大メモリ搭載可能量)は12GBytesです。
メモリバス幅はECC分含め144bitsで、アクセスは2wayのインターリーブのみをサポートし、
DIMM1本での利用はそもそもできません。
このノースブリッジはServerworks独自のバスアーキテクチャであるIMB(Inter Module Bus)と
32bit/33MHzのPCIバスを各1系統づつとAGPブリッジを内包しています。
32/33のPCIバスは主としてサウスブリッジチップとの接続用と思われます。
PCIバスブリッジはServerworksの発表によるとNB6555で、ノースとIMBで接続されます。
ところが370DE6の基盤パターンを追っていくとPCIバスブリッジの役目を果たしているのはNEC製の
「D65961S1016」という型番のチップです。
そしてDE6の基板パターンを追うと、このNEC製チップにはなぜかAGPスロットもぶら下がっています。
実はこのチップとほぼ同じと思われるチップがSuperMicroのS2QR6に使われていました。
この写真(624Kb)を見ると型番は「D65961S1014」と末尾1桁が違います。
NECのIC型番命名は末尾番号を変えることで同一チップに機能差を付けたか改修を加えたもの
であることが通常のパターンですので、370DE6とS2QR6のPCIバスブリッジは基本的には
同じチップのようです。
昔から(RCCの時代から)この会社はファウンドリ先(チップの製造委託先)にNECを使っていた
事から私は、370DE6のPCIバスブリッジはNECが
Express5800用に開発したものではないかと
思っていましたが、それは私の思い違いかもしれません。
(型番から見ると「NB6596」と呼称するつもりだったのでは・・なんて予想が立たなくもないですが。)
このPCIバスブリッジチップは64bitPCIバス2系統を備えています。
蛇足ですが、AGPのベースフォーマットは「データバス32bits、バスクロック66MHz」です。
64/66PCIバスとも互換があります。
そしてAGPデバイスはメインメモリへ直接アクセスもする特殊PCIデバイス
です。
Thunder2500でも370DE6でもvgartドライバ無しにAGPカードが動作する事を考え合わ
せると、ServersetIII系ではAGPブリッジがあるとはいえ、AGPデバイスをPCI互換デバイスとして
扱っていると見るのが妥当と思われます。
ServerSet III HEやWSに存在したMADP(MemoryAddressDataPath)チップは、HEでは4wayインター
リーブ実装のため、WSではAGPデバイスの特殊なメモリアクセスをサポートするためにあった
(だからThunder2500では、あの配置だった)
はずですが、WSでMADP(NB6525)が果たしていた役割がDE6ではNECのチップに任されている
のだと判断出来ます。
これではっきりしてきましたが、ServersetHEとWSはMADPを違う用途に使い分けているだけで
システムの核はまったく同一です。WSの事をHEと呼んでも差し支えありません。
Thunder2500では4wayインターリーブができる配線パターンを持ち、そのうち2way分は
MADP(NB6525)を使ってAGPの専用線にされていた。
これに対してHE-SLは物理的にMADPが消えているのでAGPデバイスによる主メモリアクセスは
ノースブリッジ経由となり、AGPデバイスにメモリ帯域を占領されてしまう事態が起こり得ます。
SuperLiteの意味はここにありそうです。
サウスブリッジはServerworksの発表によるとSB7440です。
ですが370DE6でそれに該当する位置にあるチップにはIB6566が使われています。
NorthBridgeの頭文字であるNB****に対してIB****では収まりが悪いので
型番変更でもしたのか、或いはSB7440という型番のチップも存在するが、
PCI接続である「サウスブリッジ」ですからSB7440ではなく前からあるIB6566を使ったのか
(AMD760にVIAの686B等を使うのと同じ事)は定かではありません。
ついでに書くと、実はTyanのThunderHEslとどちらにしようか相当迷いました。 例えば、
・370DE6は基盤パターンから考えてAIC-7899Gは64bit/33MHzのPCI接続だと考えられるのですが、
その点ThunderHEslは使用チップ(53C1010-66)を見ても、64/66PCIバスの配置から考えても
64/66のPCI接続だと考えられる。
・socket370の配置はThunderHEslのほうが爆安なIntelの1Gリテールファンが使えて私には魅力的(笑
※2005/05/29追記
AIC-7899はAdaptecの1999年当時発表のプレスリリ−スでは64/66PCIインタフェイス搭載とされていました。
ただしチップリビジョンの若いAIC-7899では66MHz動作で問題があった模様。リビジョンについては
AIC-7899の後ろにGが付いていたりREV.AやREV.BもしくはWが付いていたり様々で、海外のOEMチップ商社
の在庫リストを調べると少なくとも5種のリビジョンは存在するようです。
最終リビジョンと思われるAIC-7899Wについての最新発表はこちら。
また、実際にPCIバスの動作状態が確認できるBIOSを備えたサーバにて手持ちのASC-39160(7899G
BQEC)
を装着してみたところ、66MHz動作していることを確認しました。
更に手持ちのASC-29160も66MHz動作できる
ことが確認できて少し驚きました。 もちろんこのPCI-Xスロットは33MHzカードを挿せば33MHzと表示されます。
しかし両社webサイトで両製品の紹介ページを見比べると「BIOSがACPI対応である」と明記している
のは370DE6だけであり、ThunderHEslはThunder2500と同じくDMI 2.0
compliantとしか書かれておらず、
ACPI対応を謳っていません。
ThunderHEslとThunder2500をよく観察した人は気付くと思いますが、この2製品は
少なくとも表層のパターン設計がVRMとノースブリッジ周り(当然CPU/Memory配線含む)を除いて同じです。
(Thunder2500は8層PCBなので内層は全然パターンが違うのかもしれません。)
で、Thunder2500がACPIマルチにできなかった事にも不満だった私は370DE6を選びました。
しかし某ショップの情報を見る限り、私の370DE6のデバイスIDとそのショップのThunderHEslでは
(リビジョンのみ違うが)同じチップセットが採用されているようなので、TyanがDMI 2.0
compliantとしか
書かない理由は判然としません。(まさかその「リビジョン違い」が問題だという訳でもなかろうに・・)
続編は・・・
・370DE6のMemory周りは実に速い(GIGA DIMMで検証)
2002/07/06 追記
CheetahX15-2を調達できたので、DE6のI/O帯域を確認するためにwin2kのstripeを試してみました。
計測はWinbench99、構成は、オンボードのAIC7899に3台、ASC-39160を64bit66MHzスロットに装着して2台
の計5台によるsoftware
stripeです。 あ、当方のDE6は3月にP3TDE6&PIII-S1.26Gへとリプレイスしてあります。

流石はserversetというか・・・ 圧巻の300MB/secオーバーが簡単に出てしまいました(笑
広大なI/O帯域幅の効果が遺憾なく発揮されていますね。 そして今やRAIDカード上のI/Oプロセッサにバスマスタ
させるよりも、本体CPUでのdiskアクセスのほうが遙かに速いという事もよく判ります。 特にDUALプロセッサ機なら
OSが勝手に片側CPUにdisk I/Oをさせて、もう片側CPUがアプリケーション処理というようにタスク分担をしてくれま
すから、これならRAIDカードも個人用途では不要になってきた とも言えるわけです。
いやしかし、よく考えたらこれ440BX世代までのPCのメモリread速度とあまり変わらないのじゃなかろうか(^^;;
X15-2単体ではこんな感じです。